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コラム「マダムの部屋」
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マダムの部屋
ちょっとちらかってるけど、気にしないでゆっくりしてって!

マダムの部屋-8-
「Are you ready?」

 ついに9月に突入。いよいよシーズンが近づいてきた。早くオープンする海外のコースでは、10月の頭には氷上滑走が可能となる。そろそろ、そりの準備を完ぺきにしていかなくてはならない段階に入りつつある。スパイラルの格納庫では、たっきー、さとぼー、さとびーで構成するS-Square Project(エス・スクエア プロジェクト)がそりの開発にいそしんでいる姿をよく見かける。私も先日、越選手のお話にもよく登場した、かの有名な和歌山の町工場・ニギテックに行ってきた。(朝の連ドラに出てきそうな雰囲気で、なかなか粋な空間だった)
 マテリアルを使う競技であることが、スケルトンのだいご味であり、彼らのように、そり作り自体を自らの手で行って楽しんでしまう選手もたくさんいるのだが、私にとってマテリアルは、「鬼門」でもあった。
 今ともなれば笑い話になるけれど、30年近く生きてきた中で、初めて出合う工具類や機械のことは、使い方も、用具の名前も全く知らないとことだらけ。ちんぷんかんぷんだった。(どちらかといえば、そういうのは、嫌いなほうだった)スキーだったら、お店に行けば、靴や板の特徴を、手取り足取り教えてもらえるけれども、スケルトンの場合はだれが教えてくれるわけでもない。例えば「六角レンチ?それ何?どれがいいの、インチとセンチってどう違うの」など聞くのも恥ずかしく、こっそりだれかに聞いたりしたことも結構あった。始めて2年くらいは「?」が頭の中を飛び交うことだらけだったけど、そうも言っていられないので、頑張った。
 そりの本体部分と、滑走面にあたるランナー(刃)、二つの要素を合わせてスケルトン。確かに、作りはシンプルであるけれども、奥は深い。パーツの剛性などによって、微妙な違いが表れるし、その違いをキャッチできる「体感」を持っているかどうかは鍛錬次第。だから、滑りの特徴やレベルによって、その選手にとっての「いい道具」が違ってくるのは明らかだ。(当然か)

 初めての人のためには、各都道府県連に、レンタルぞりがある。私も初めての99−01シーズンは、長野県連のレンタルぞりで滑った。これらは、すべて、スチール製の初心者用。直進性もいい(はず)。
 そのほか、レース用としては、外側の部分がFRP素材で出来たそりを使っている選手がほとんど。まあ、趣味の人でも一台購入してみると楽しいと思う。(ニギテックの初心者用で確か15万くらいだったと思う。自分で作れる人はコストはもっとかからない)いずれにしても、自分で、自分のものを仕上げて行くしかない!ということ。
私も今季、競技を初めて4シーズン目。体の一部と感じられるよう、マテリアルと仲良くお付き合いし、さらなる境地を切り開きたい。

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